テント倉庫建築する際の費用について

公開日:2023/01/04  

テント倉庫とは軽量の鉄骨を組み、その上からシート膜をかぶせて作る倉庫のことを指します。

具体的な基準としては、1階建て・膜構造・面積が1,000㎡以下・軒下5m以下・屋根が切妻、片流れ、円弧のいずれかの形状と国土交通省告示第667号 に記されています。短期間かつ低コストで建てられるため、さまざまな場所で利用されています。

テント倉庫は建てる会社によって金額は大きく違ってくるので具体的な金額の提示は非常に難しいです。そこで、テント倉庫を建築する際の費用について見ていきましょう。

テント倉庫の金額を決める3つの観点

テント倉庫の値段を決める要素はどの会社でも似ています。テント倉庫の種類と金額の関係、建築にあたってかかってくる費用の種類、建てた後の維持費の3つの観点でテント倉庫建築する際の費用について説明します。

テント倉庫の種類と金額の関係

テント倉庫の費用を決定づける要因として使われている素材、サイズ、タイプが挙げられます。種類に分けて解説します。

防炎生地か不燃生地

シート膜には防炎生地と不燃生地の2種類があります。そもそもテントやシートは石油製品であるため、可燃物としてどうしても燃えやすい性質がありました。そこに防炎加工を施すことで、火が当たった部分は焦げますが容易には着火せず、着火したとしても自己消火性で延焼拡大しない性質をもたせました。つまり万が一火がついても燃え広がらないということです。

一方で不燃生地は防炎生地とどう違うのでしょうか。不燃とはいいますが、実はまったく燃えないというわけではありません。

まず防炎生地は消防庁・消防法・日本防炎協会から認定されたものです。しかし不燃生地は建築基準法・国土交通大臣認定となります。認定されている機関が違います。

また不燃生地の場合は具体的な法令があり、防火地域・準防火地域の屋根材は不燃認定を受けた膜材を使用する・簡易的な構造の建築物の屋根と、外壁に不燃材を使用すれば燃焼の恐れのある地域でも建築可能などがあり、テント倉庫を建てる環境によっては不燃生地を使わなければならないということです。

基本的には防炎生地より不燃生地が使われているテント倉庫の方が割高です。サイズが大きくなれば大きくなるほど、金額差もさらに大きくなります。テント倉庫の利用用途にもよりますが、防災観点でいうと不燃生地の方がより安全・安心です。

テント倉庫のサイズ

テント倉庫にはざっくりと分けて、簡易テント倉庫と大型テント倉庫があります。簡易テント倉庫の概念ははっきりと定義はされていませんが、仮設型・簡易式であることが多く、200㎡ までというのが1つの境目となります。なぜなら200㎡までの建築物は構造や設備等の一部の審査が免除されるためです。

免除されると申請費用や書類作成費用がかからないので、手続きが簡略化され大型テント倉庫よりも低コストで納期も短くできます。主に利用用途は車庫・作業スペース・資材置き場などになります。

大型テント倉庫は鉄骨構造であり納期も簡易テント倉庫より倍ほどです。大型テント倉庫は様々な利用用途があり、資材の保管からイベント会場に利用されることもあります。

大型テント倉庫は単純にサイズが大きくなるだけではなく、安全面でも簡易テント倉庫以上に気を配る必要があります。例えば地域によっては積雪や強風も考慮しなければならなりません。

天井に換気扇を設置する場合もあり、利用用途次第では開口部のシートドアをさらに広くするためシートカーテンの使用、電気・照明設備の設置などさまざまなオプションも付けられます。大型テント倉庫はどんどん金額が上がりがちな傾向があります。

テント倉庫のタイプ

テント倉庫は大きく分けて3つのタイプがあります。

まずは固定式テント倉庫タイプです。固定式テント倉庫タイプは移動ができない状態で、屋根と壁でしっかり閉じられているため、天気が悪くても中に置いてあるものが守られます。3つの中では最も安いタイプです。

次に安いのが可動式テントタイプです。可動式タイプにはさらに2種類あり、テント倉庫自体が収縮し使わない時は畳めるタイプ、テント倉庫の下にキャスターがついてそのまま動かせる移動式タイプがあり、様々な場所に動かせるのが特徴です。

そのためテント倉庫への出し入れができないほどの重量物の保管にぴったりです。重量物は動かさずにテント倉庫だけ動かせば出し入れが可能です。

1番高いのが上屋テントタイプです。天井のみにシート膜が張られており側面の一部、または全面が開放されているタイプになります。㎡や用途、設計に制限がないのが特徴kです。

荷物の置き場や作業スペースの屋根に利用するだけでなく、高さがあればフォークリフトや大型トラックの乗り入れも可能でいろんな用途に使えます。

3種類ともそれぞれ特徴が大きく違うので「1番安いから固定式テントタイプを選ぶ」というよりは、用途に合わせて選ぶことになるでしょう。またサイズによってタイプ間で値段は上下するときもあります。

建築にあたってかかってくるテント倉庫以外の費用

建築するための費用として、テント倉庫単体の価格だけではなくさまざまな諸費用がかかってきます。

見積もりを出すときには、テント倉庫の価格だけを見るのではなく総工費で確認するようにしなければ、思っていたより高くついてしまう可能性があるので注意しましょう。見積もりの場では、その他の費用も一緒にお願いしますと伝えましょう。

坪単位の価格で工事費等含めて計算してくれる会社もあれば、テント倉庫単体の金額でそこに諸経費を追加する会社もあります。気になることは遠慮せず質問し、何か所かで見積もりを出すと安心材料になります。

工事費用

テント倉庫にかかる工事にも種類があります。まずは内装工事・外構工事です。テント倉庫そのものと、外回りの工事のことです。ここまでは想定内かもしれませんが、見落としがちなのが地盤補強工事です。

建てる前には地盤調査を行い、もし問題が見つかれば補強工事が必要です。これは建てる土地にもよるので、費用にばらつきが出てくる一因となります。

もし電気や換気設備も取り付けたら、電気工事や空調の取り付け費用もかかってきます。

確認申請費用

テント倉庫は建築基準法では通常の建築物と同じ扱いになるため、面積が10㎡以上の建築物を建てる場合には、特定行政庁か民間の建築確認検査機関への建築基準法に則った建築確認申請が義務づけられています。 (自治体や都市計画区域かにもよります)

テント倉庫を建てる際には10㎡以上であることがほとんどなので、テント倉庫を建てるのであれば建築確認申請が絶対必要だと思った方が良いでしょう。

もしも建築確認申請をせずに10㎡以上のテント倉庫を建てた時、違法建築に該当します。せっかく建てても処罰・撤去の対象になるため、必ず申請しましょう。

申請費用は構造や面積、また申請する機関によって変わります。良心的な建築会社であればテント倉庫の金額に、確認申請費用込と記載されている場合もあります。

消火設備

テント倉庫の広さ、可燃物があるかどうか、自治体によっては消防法による消火設備にも費用がかかります。150㎡から500㎡未満で消火器、500㎡以上700㎡未満は追加で火災報知器、700㎡以上では上記の2つに加えて屋内消火栓を設置する義務があります。

テント倉庫そのものの金額に比べれば安いものではありますが、必ず費用の中に含めて検討しましょう。ちなみにテント倉庫内で可燃物を置く場合は、計画の際に管轄の消防署へ確認しなければならないので、忘れずに行きましょう。

セキュリティ費用

テント倉庫は一般的な建築物に比べたら、やはり防犯性に欠けている部分があります。テントのシート膜は刃物で切り裂いてテント倉庫の中へ侵入が可能であり、大きなテント倉庫になると目の届かない範囲も増えます。

セキュリティ対策にも費用がかかります。手軽に対策するなら防犯カメラや保険になりますが、防犯カメラは電源が必要なので必ず電気工事をお願いすることになります。

一般的にはテント倉庫は側面もシート膜ですが、セキュリティ対策のために側面を金属板で建てられる場合もあります。心強くなりますが、やはり費用も高くなってしまうので、何を置いておくのかを慎重に考える必要があります。

図面作成費用

テント倉庫の図面を作ってもらうのにも費用が発生します。これは倉庫のサイズ関係なくかかる費用なので必ず念頭におきましょう。

保険

テント倉庫内に保管しているものや周りの状況によっては、保険に入ることも検討しなければなりません。日本は台風や地震もくるので、天災への備えはマストだと思った方が良いでしょう。

保険会社にもよりますが火災保険に加入していれば、台風や大雪による破損でも火災保険が適用されます。しかし保険金はすぐにもらえるわけではなく、およそ1カ月から3カ月

建てた後の維持費

テント倉庫を建てた後も維持費が必要となります。テント倉庫を建てる際にはこれらの金額も考慮して費用を考える必要があるでしょう。

固定資産税

テント倉庫は規模にもよりますが、固定資産税が発生する場合があります。課税対象となる条件として、1つ目は土地へ定着して建造されていること、2つ目は住居・作業・貯蔵などの用途に使用できる状態にあること、3つ目は屋根や周壁により外界から遮断された一定の空間があること、の3つがあります。

つまり、テント倉庫が家屋に該当するのか否かという話です。上の3つの条件を満たすと家屋という扱いになってしまうので、固定資産税が発生します。基本的にはテント倉庫も固定資産税が発生すると思って良いでしょう。

また移動式・可動式テントタイプは一見家屋の条件を満たさないような気もしますが、建築物とみなされており固定資産税が発生します。注意しましょう。

テント倉庫にかかる固定資産税の金額は市役所の職員等が実地調査して決められます。現物や建てられている場所の確認はもちろん、設置日などが聞かれたりします。その際に返答を拒否したり、嘘をついたりすると罰則される場合がありますので正直に答えましょう。

近年では中小企業経営強化税制によって、条件を満たしていればテント倉庫にかかる設備投資の税制優遇を受けられることがあります。テント倉庫は生産性向上設備(A類型) に該当します。もし自分の会社で建てる場合は節税できる可能性があるので、自治体の制度を確認しましょう。

光熱費

シート膜には厚さ、色なども種類があります。薄い色の薄い生地を使えばテント倉庫内で照明がなくても日中過ごせますが、シート膜の色が濃い場合や、夜や夏場での使用となると、照明や空調が必要となってきます。照明や空調にかかる光熱費も無視しないようにしましょう。

修理・膜張替え費用

テント倉庫に使われているシート膜は、紫外線や雨風で劣化する消耗品なのでいつかは交換する必要があります。シート膜の耐用寿命はおよそ10年から15年 といわれています。5年に1度はメンテナンスするのが良いでしょう。

メンテナンスで綻びを早く発見できれば、その綻びだけの修理で済む場合があります。気付かずそのまま使い続けて綻びが大きくなると、シート膜全体を変えなければならない状況になり費用が高くついてしまいます。

テント倉庫の施工会社によっては、建てた後のアフターサービスをしてくれる会社もあります。メンテナンス費用が気になる人もいるかもしれませんが、長く放置してシート膜全体を変えるとなるとその方が高くなるので、こまめにメンテナンスして小さな綻びに早く気づくようにすることをおすすめします。

ちなみに鉄骨の寿命は30~40年とかなり長いです。30~40年くらい経っていたり、錆びや金具の破損が見られたり、鉄骨に傾きやぐらつきが見えてきたら、鉄骨の寿命がきている証拠なので全体建て替えとなります。

まとめ

一口にテント倉庫の費用といっても、さまざまな種類があり、住んでいる地域や自分がどのような選択をするかで大分と変わってきます。

テント倉庫が大きければ大きいほど、テント倉庫そのものの金額はもちろん、設備も増えて金額が上がっていきます。万が一の破損や災害への対策にもお金がかかります。

テント倉庫は立派な建築物なので建てる際にもいろんな費用が発生するのはもちろん、建てたら終わりというわけにもいきません。他の倉庫に比べたら低めの費用なので便利で手軽ではありますが、想像以上に費用がかかる多くの項目があることも押さえておきましょう。

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