テント倉庫は固定資産税の対象になる?対象外の条件や税制優遇なども紹介
たくさんのものを保管するには倉庫が必要です。一般的な倉庫はしっかりした建物を想像する方が多いのではないでしょうか。運送業や製造業で資材管理、保管場所などに使われています。そんな一般的な倉庫とは異なる、テント倉庫というものがあるのを知っていますか?今回は、テント倉庫の固定資産税について解説します。
テント倉庫は固定資産税の対象になる?
テント倉庫の固定資産税の対象になるのかについて解説します。
テント倉庫とは?
そもそもテント倉庫とはどのようなものなのでしょうか。テント倉庫は軽量鉄骨の上にシート膜をかぶせてつくる倉庫のことです。名前の通り大きなテントのような外見をしているものが多いです。
短期間で建てられ、かつ低コストなので需要が増えてきました。倉庫としての利用方法のほかにもショールームやスポーツの練習場のような使い方もされています。
テント倉庫のメリット
テント倉庫は申請から工事までが3か月程度で完了するため設置がスピーディーなことがメリットです。小さなタイプなら2か月くらいで納品が可能な場合もあるため、急いでいる方におすすめです。
また、しっかりした大きな倉庫の場合、施工費用がかかりますが、テント倉庫は費用も抑えることができるのがメリット。テントに張ったシート膜は経年劣化していきますが、15年~20年程度の耐用年数を持っています。
シートが軽いため耐震性が高いというメリットもあります。倉庫としての使い方だけでなく、設備を整えて必要な申請を行えば、スポーツをする屋内広場などさまざまな使い方もできます。
固定資産税対象外となるテント倉庫の特徴とは?
テント倉庫は外気分断性がある、土地への定着性がある、住居や作業などに使える用途性があること、という3点の条件を満たしていると家屋とみなされ、固定資産税がかかります。キャスターがついていて移動式である、屋根が開くといったテント倉庫は家屋の条件を満たしていないようにみえますが、建築物とみなされて固定資産税がかかってしまいます。
固定資産税がかからないテント倉庫は、門と屋根だけのカーポート型や仮設テント型、ビニールハウスといったものに限られます。そのためテント倉庫の活用を考えている場合は、基本的には固定資産税がかかると思っておいた方がよいでしょう。
テント倉庫には税制優遇がある?
テント倉庫は基本的には固定資産税がかかりますが、税制優遇があります。どのような制度なのか解説します。
中小企業経営強化税制について
中小企業経営強化税制とは、中小企業の稼ぐ力を向上する取り組みを支援するために設備投資について税制が優遇される制度です。積極的に設備投資を促し企業の利益率上昇を向上させる狙いがあります。
適用期限が2023年3月31日までとなっていましたが、2年延長され2025年3月31日まで対象となりました。テント設置を考えている方は制度について詳しくチェックしてみてください。
税制優遇条件とは
テント倉庫は制度の中の生産性向上設備(A類型)に分類されます。テント倉庫を設置したからといってどれでも優遇されるわけではないので、認定条件を満たす必要があります。対象は中小企業です。資本金や従業員数が多い大手企業は対象外となるので注意してください。
テント倉庫といってもいろいろなタイプのものがありますが、テント倉庫やシャッターシート、日よけテントなども対象になっています。
しかし設備にも条件があります。その条件とは、旧モデルより平均1パーセント以上向上する設備である、取得価格が60万円以上、14年以内に販売された製品であることです。そのためテント倉庫ならなんでもよいというわけではありません。
また、税制の優遇を受けるためには、経営力向上計画を立てる必要があります。経理力をアップさせるためにどんな目標を立てるか、どんな設備を設置するかなどの計画書の提出も行い、認定されてはじめて税制の支援を受けられます。
書類作成が難しい場合は商工会議所や金融機関、行政書士などにサポートしてもらいましょう。無事に認定を受けられれば、対象設備の即時償却か取得価額の税額控除のどちらかの優遇を受けられます。
地域によっては減免制度もある
税制の優遇以外にも自治体によって、テント倉庫を設置した場合に減免制度を利用できるところもあります。特定の事業に用いる場合、設置することで雇用増が見こまれる場合など、自治体によって条件は異なりますが、うまく活用できれば免税、減税の対象になるかもしれません。自治体の制度や条件を確認してみてください。
まとめ
テント倉庫は一般的な倉庫と比較すると低価格、短期間で施工可能というメリットがあります。基本的には固定資産税がかかりますが、税の優遇制度が活用できれば節税できます。優遇措置を受けるにはさまざまな条件があるのでチェックしてみましょう。
テント倉庫は、倉庫以外にもショールーム、ドッグラン、スポーツの練習場、トラックの格納庫などいろいろな用途に活用できます。満たすべき条件や申請などもあるので、テント倉庫の業者にまずはどんな利用方法ができるか、どんな商品があるのか相談してみてはいかがでしょうか。