テント倉庫の構造はどうなっている?形やサイズによる違いとは

公開日:2023/02/15   最終更新日:2022/11/29


テント倉庫は設計から施工まで短い納期で導入が可能であり、低コストでの建設ができ、内部空間が明るいといったメリットがあります。多くの企業で導入されていますが、構造に関しては深く理解されていません。そこでこの記事では、テント倉庫の構造および形状やサイズによる違いを明らかにします。

テント倉庫の構造とは

テント倉庫は、金属の骨組みに膜材(生地)をかぶせて設置する膜構造の倉庫建築物です。屋根材・外壁材が薄い膜材料であり、ほかの建築資材と比較して圧倒的に軽量といった特徴があります。したがって、支える骨組みも軽量にでき、さらに大きな空間を柱なしで作ることが可能です。

膜材料とは

テント倉庫に使用される膜材料(テントシート生地)は基本的に防災品であり、可燃物を保管する場所に建てる場合は不燃材料の認定を受けた膜材料を使用することもあります。

基礎は必要なのか

テント倉庫はテントで作られた建物であり、土台は不要と考える人もいますが基礎は必要不可欠です。そもそも基礎がしっかりとしていなければ、風や地震などで力がかかると持ち上がったり倒壊したりする恐れがあります。人身事故や物損事故の可能性もあり、そういったことを防ぐためにも基礎工事は必ず行います。ただ、一般的なコンクリートなどの建築物と比較すると、建物重量が軽いため、基礎は小さく済みます。したがって、基礎工事費もそれほどかからないのが一般的です。

テント倉庫の種類ごとの違い

テント倉庫には、主に3つの種類があります。ここでは、それぞれの種類ごとの特徴を解説します。

固定式テント倉庫タイプ

こちらのタイプで一般的なのが、固定式で閉鎖型です。つまり、すべての面に生地が存在するので、雨や風、外気を防げるといった特徴があります。商品や材料、そして金型などの保管や機械の保護を重視しているケースの利用に最適です。

移動式伸縮式テント倉庫タイプ

固定式テント倉庫タイプの形状をしていますが、奥行方向にレールが施設され、その軌道上に伸縮する機構がついています。アコーディオンハウス(テント)、スライドハウス(テント)、ジャバラハウス(テント)とも呼ばれています。テントが伸縮するため、使用しないときは小さく畳んでおけます。テント倉庫を分割して移動できるようにもでき、それぞれ縮めて屋根・壁のない開口部分を作ることも可能です。開口部があることで、大型の荷物を搬入および搬出も楽になります。

上屋荷捌テント倉庫タイプ

側面に壁がないのが特徴で、屋根の部分だけテント生地で覆われているものです。主に作業場で用いられるテント倉庫であり、雨の日や雪の日でも荷物や人が濡れることなく作業できるメリットがあります。また夏場だと、炎天下での作業ではなくなるため、従業員の作業環境の改善にも役立つでしょう。通気性抜群であるため、換気が必須である溶接や塗装の作業にも適した場を提供してくれます。

テント倉庫にはどんなメリットがある?

テント倉庫の導入にはいくつものメリットがあります。

低コスト

一般的な倉庫に比べて構造がシンプルであり、軽量材料を使用するため少人数で組み立てられます。人件費が大幅に抑えられるため、結果として低コストで導入できるのです。初期費用を抑えたい時には、テント倉庫がとくにおすすめです。

短工期

テント倉庫の工程はシンプルで、基礎工事が行なわれ鉄骨組み立て工事をしたうえで生地張り工事をします。一般建築と比較すると、施工期間が圧倒的に短く、スタンダードなものでも1か月から2か月程度の工期で完了します。すぐに倉庫が必要といった場合にも適しているのが、テント倉庫です。

テント内が明るい

透光性の高いテント生地を利用すると、昼間であればテント内の明るさは一定に保たれます。テント内で作業するような場合でも、日中であれば室内照明は不要になることが多いでしょう。結果として、電気代の節約になるなどコストカットにもつながります。

形、サイズが自由

テント倉庫はさまざまな形に対応しており、三角形や長方形などの変形地でも設置できます。歪な土地に倉庫を設置したいような場合でも、問題なく対応できるのがテント倉庫なのです。

テント倉庫で気をつけたい点

テント倉庫は万能ではなく、一定の条件の上で使用するとマイナス面も出てきます。

テント生地は劣化する

テント倉庫を覆っているテント生地は、太陽光や紫外線、そして風雨によって劣化します。したがって10年に一度くらいのペースで張替えが必要になるので、一定間隔でメンテナンスコストが必要です。

暑さ寒さが厳しい

テント倉庫の種類によっては熱がこもりやすいものもあり、夏場の暑さに悩まされることもあります。また冬場の寒さがきついテント倉庫もあり、内部で従業員が作業する場合は換気設備の設置も検討しましょう。

まとめ

テント倉庫の構造およびテント倉庫の種類を明らかにしました。テント倉庫の構造は至ってシンプルであり、鉄骨の骨組みにテント生地を張っています。ただ、簡易的な建物ですが基礎工事はしっかりと行う必要があります。テント倉庫の種類は、主に固定式テント倉庫タイプ・移動式伸縮式テント倉庫タイプ・上屋荷捌テント倉庫タイプの3つがあります。それぞれ特徴があるので、理解した上でどのタイプにするか決めましょう。

おすすめ関連記事

検索

【NEW】新着情報

テント倉庫にはさまざまなオプションがあり、ニーズに合った利用が可能です。通気性の向上、クロスの選択、照明や防犯カメラの追加など、機能性を高めるオプションが提供されています。ここでは、テント倉

続きを読む

テント倉庫の運営において、その種類によって登記は法的な義務ではありませんが、無登記のままで経営すると様々なリスクが潜んでいます。登記を怠ると、所有権の混乱や契約の問題が生じ、法的な保護が得ら

続きを読む

テント倉庫は多岐にわたり、その種類は用途や機能に基づいて異なります。物品の保管、展示会、一時的な作業スペースなど、ニーズに合わせた適切なテント倉庫を選ぶことは重要です。本記事では、異なるタイ

続きを読む

テント倉庫の耐震性は重要な要素です。同時に、耐久性も検討すべきで、長期間の使用に耐える頑丈な構造が求められます。コスト面でも効率的であることが望ましいですが、安全性と耐久性に優れたテント倉庫

続きを読む

組み立てた鉄骨にシート膜を張ったテント倉庫は、低コスト・短期間で建てられるとあって人気を集めています。一方で気になるのが、テント倉庫における暑さ対策です。空調を付けられるのか気になる人も多い

続きを読む

リーズナブルな予算と短い工期で完成することから人気の高いテント倉庫ですが、消火設備のルールを守らなければいけません。ルールを守らずにテント倉庫を設置すると、火災が起きたときに人命や財産に危害

続きを読む

これからテント倉庫を設置しようと思ったときに気になるのが、建築確認申請ではないでしょうか?基本的にはテント倉庫の設置には必要で、申請を怠ると不利益を受ける可能性が生じます。今回は、テント倉庫

続きを読む

たくさんのものを保管するには倉庫が必要です。一般的な倉庫はしっかりした建物を想像する方が多いのではないでしょうか。運送業や製造業で資材管理、保管場所などに使われています。そんな一般的な倉庫と

続きを読む

テント倉庫は一般的な倉庫に比べると、短期間、低コストで設置できるのが魅力です。手軽に設置できるのテント倉庫ですが、天井クレーンを付けることはできるのでしょうか?今回は、テント倉庫に天井クレー

続きを読む

テント倉庫とは一般的な倉庫とは異なり、屋根にシート膜をかぶせた軽量鉄骨式の倉庫のことです。設置までの期間が短い、費用が安い、耐震性が高いといったメリットがあります。そんなテント倉庫ですが、さ

続きを読む