テント倉庫で必要な「建築確認申請」とは?申請不要なテント倉庫の特徴も紹介

公開日:2023/09/15   最終更新日:2023/07/04

ハテナ

これからテント倉庫を設置しようと思ったときに気になるのが、建築確認申請ではないでしょうか?基本的にはテント倉庫の設置には必要で、申請を怠ると不利益を受ける可能性が生じます。今回は、テント倉庫の設置で必要な建築確認申請の詳細について解説します。また申請不要なテント倉庫の特徴も紹介するため、ぜひ参考にしてください。

テント倉庫設置で必要な「建築確認申請」とは?

テント倉庫の設置で必要な建築確認申請とは、建物を新築・移設・増改築するときに提出する書類のことです。作成した書類を自治体、もしくは民間の建築確認検査機関へ提出し、建物が建築基準法や各種条例に合ったものかどうかをチェックしてもらいます。以下で建築確認申請の概要を見ていきましょう。

建築確認申請が必要な理由

建築確認申請は建築前の設計・計画を検証し、各種の法律に違反していないかを確認するために必要なものです。たとえば、当制度が存在しないと、建築基準法などの法律の存在意義自体が失われ、それぞれで自由な設計が可能になってしまうでしょう。

つまり、建築確認申請によって、建物の合法性を調査しているのです。

主な確認事項

建築確認申請における、主な確認事項は次のとおりです。

・建ぺい率

・延床面積

・建物の大きさ

・採光率

・耐久性

・危険個所の対策

必要書類は申請する地域や建物、計画内容などによって異なります。確認申請書や建築計画概要書、配置図、基礎伏図、部材断面表、電気設備図など多岐に渡るのが通常です。自分で必要な書類をそろえて提出するほか、施工業者が代行してくれるケースもあるでしょう。

必要な費用

実際の費用は自治体によって異なるものの、一般的には床面積によって決まります。以下は床面積ごとの費用目安です。

・30㎡以内:5,600円

・30㎡を超え100㎡以内:9,400円

・100㎡を超え200㎡以内:1万4,000円

・200㎡を超え500㎡以内:1万9,000円

・500㎡を超え1,000㎡以内:3万5,000円

詳細はそれぞれで自治体などへ確認してください。

一定の条件に該当すれば緩和措置を受けられる

国土交通省告示667号では、一定の条件に該当するテント倉庫を設置する場合、建築確認における規定の緩和措置を受けられるとしています。たとえば、以下のようなテント倉庫が当てはまります。

・倉庫や物品保管として利用する

・面積が1,000㎡以下で1階に位置する

・軒が5m以下、間口が30m以下

・テント倉庫のすべての側面に、屋根と壁がある

・屋根の形状が切妻か片流れ、円弧のいずれかである

・鉄骨造の骨組みと膜材料を使用している

設計風速の低減や、構造計算書の妥当性に関するピアチェック不要といった緩和措置を受けられるため、一般的な建物やテント倉庫と比べて、設置費用がリーズナブルとなるでしょう。また完成までの期間が短く済みます。

緩和措置を受けるための条件は細かく設定されているため、実績豊富な業者へ依頼する必要があります。

建築確認申請後の流れ

建築確認申請はテント倉庫を含む建物を建てるときに、最初に行うものです。行政や民間の建築確認検査機関から確認してもらうと、図面や計画が法律に違反していないことを示す、建築確認済証が交付されます。

建築確認済証が交付され次第、実際に建築工事がスタート。工事が終了したら完了検査を受け、問題がなければ検査済証が交付されます。

建築確認申請をしないとどうなる?

もし建築確認申請を行わずにテント倉庫を設置してしまうと、どうなるのでしょうか?前述したように、テント倉庫も建物に該当するため、建築基準法違反となります。申請せずに工事を始めたり、設置したりすることがわかると、自治体よる是正勧告といった指導を受けるかもしれません。

さらに指導によって解決・改善が見られなかった場合、懲役や罰金といった、刑事罰の対象となります。社会的信頼の低下にもつながるため、必ず申請しましょう。

建築確認申請が不要なテント倉庫はある?

テント倉庫は基本的に建築確認申請が必要ですが、なかには不要なタイプのものもあります。

10㎡未満のテント倉庫

面積が10㎡未満のテント倉庫は、建築確認申請が必要ありません。ただし、準防火地域・防火地域では必要です。

可動式のテント倉庫

キャスターなどを用いて移動できるタイプのテント倉庫は、建築物としてあつかわれません。そのため、建築確認申請が不要です。

短期間だけ使用する仮設のテント倉庫

短期間だけ使用するような、仮設のテント倉庫も建築確認申請は必要ありません。たとえば、次のようなものが該当します。

・非常災害時の応急仮設建築物

・災害時に建築する公益上必要な応急仮設建築物

・本建築物工事施工のための仮設建築物

ただし、防火地域内に建築するものは適用されません。詳細は各自治体や施工業者へ確認しておくと安心です。

まとめ

テント倉庫の建築確認申請とは、建物の新築・移設・増改築に必要な手続きのことです。建築基準法や条例に適合しているかを確認するもので、申請を怠ると不利益が生じる可能性があるでしょう。

面積が10㎡未満のものや可動式のもの、短期間使用のものなどは、申請不要です。また建築確認申請には一定の費用がかかりますが、一定の条件に該当すれば、国土交通省の緩和措置を受けられます。

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